
うちの子供は,どうして勉強したことをすぐ忘れてしまうのかしら?
どうやったら,記憶力のいい子供に育てることができるのかしら?
そんな悩みを抱えている方は多いと思います。
子供の記憶力は,ちょっとしたコツを知っているだけで高めることができます!
今回は,記憶力がいい子供に育てる簡単な方法を紹介します。
目次
3つの記憶を使いこなすことで記憶力がいい子供になる!
記憶を大別すると,次の3種類があります。
①自分が実際に見たり,経験したりした「経験記憶」
②言葉や数字などの知識に基づく「知識記憶」
③自転車の乗り方などの体で覚える「方法記憶」
これらのうち,最初に発達するのが「方法記憶」です。
その次に「知識記憶」が発達し,5・6歳頃から経験記憶が発達します。
そのため,子供が小さいうちは,スポーツや音楽などを修得しやすくなります。丸暗記も得意です。
小学生のうちに,かけ算九九などを丸暗記するのは,「知識記憶」が発達している小学生に合った学習内容といえます。
一方,中高生になると,「方法記憶」や「知識記憶」が次第に衰え,「経験記憶」が発達してきます。
小学校の時には簡単にできた丸暗記が,段々と苦手に感じるようになるのは,年齢的に,得意な記憶の種類が変わっているからなのです。
つまり,この3種類の記憶が発達する時期を把握しておくことは,記憶力がいい子供に育てることにつながります!
まずは,子供の年齢に応じて,得意な記憶の種類があることを理解してくださいね。
記憶力がいい子供にするカギは「海馬」にある!
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。
短期記憶は,文字どおり,短い時間だけ覚えておきたいときに使われます。
容量が小さいので,たくさんの物事を同時に蓄えることはできず,時間が経過したり,新しい情報が入ってきたりすると,忘れてしまいます。
一方,長期記憶は,短期記憶と違い,情報が長期間保存されます。
膨大な情報を保存しておくことができますが,たくさんの情報から必要な情報を取り出すには,いったん短期記憶に情報を呼び出す必要があります。逆に,長期記憶に情報を保存するときにも,短期記憶を経由します。
そのため,漢字や九九,公式などの情報を長期記憶として蓄えておき,必要に応じてすぐに情報を取り出すことができれば,学習効果は上がります。
そのカギを握っているのが,「海馬」です。
海馬は,「必要な情報」と「必要のない情報」の仕分けをしているからです。
長期記憶は,膨大な情報を記憶することができますが,容量には限りがあります。
そのため,脳内では,まず,海馬が,インプットした情報を「必要な情報」と「必要のない情報」に仕分けしているのです。
だから,海馬に認められれば,長期記憶ができるのですが,海馬はそう簡単に必要な情報とは認めてくれず,まして,一度の情報ではなかなか必要な情報とは認めてくれません。
海馬が必要と認める基準は「生きるために必要かどうか」です。
そのため,「痛い!」などの経験に比べて,漢字や九九などの勉強の情報は,脳にとって重要度が高くはないので,記憶に残りにくいのです。
では,漢字や九九などの勉強の情報を「必要な情報だ」と海馬に認めさせるには,どうすればいいでしょうか。
その答えは,「何度も情報を送る」ことです!
何度も情報を送ると,海馬は「こんなに何度も送られてくるのだから,大切な情報に違いない!」と受け取ります。
つまり,「復習する」ことが大切だということです。
昔から復習は大切と言われていますが,脳の構造からも理にかなっているのです。
復習のタイミングで記憶力がいい子供になる!
海馬は,繰り返し情報を受けると,必要な情報と認識します。
そのため,覚えたいことは,繰り返す復習すればいいのです。
そして,海馬が必要な情報かどうかを審査するのに1か月程度かかると言われています。
その期間内に何度も復習すれば,海馬が「これは大切な情報だ!」と受け取ってくれます。
また,復習すると,忘れるスピードが遅くなります。
こうやって,繰り返し復習することで,記憶が定着していきます。
復習のタイミングとしては,
1回目…学習した翌日
2回目…1回目の1週間後
3回目…2回目の2週間後
4回目…3回目の1か月後
がいいと言われています。
このタイミングで復習をすることで,効率よく記憶することができ,記憶した情報を忘れにくくなります。
好奇心で記憶力がいい子供になる!
復習が少なくても記憶する方法があります。
それは「好奇心」を持つことです。
好奇心を持つと,海馬が「シータ波」という脳波を出します。
そして,シータ波が出ているときに情報が入ってくると,初めての情報でも,海馬は「すごく大事な情報だ!」と判断し,記憶しようとします。
シータ波が出ていると,復習の回数は,4分の1に減らせると言われています。
子供の好奇心は,記憶の原動力となるのです!
好きなことに熱中するだけで,学習効率が上がります。
さらに,誰かに話をすると,記憶が定着しやすくなります。
子供が少しでも興味を持って一生懸命になっているときは,邪魔をせず,子供が話を始めたら,面倒がらずに聞いてあげると,記憶力もアップします。
アウトプットで記憶力がいい子供になる!
記憶は,インプットよりもアウトプットをする方が定着します。
例えば,漢字を覚えるには,参考書で漢字を何回も見るよりも,実際に漢字を書いてみた方がすぐに覚えられます。
そのため,記憶力がいい子供にするには,子供が覚えたことをアウトプットする機会を設けるのが効果的です。
記憶力がいい子供になる効果的な勉強法!
暗記は寝る前にするのが効果的!
漢字や都道府県名などの覚える勉強は,夜にするのが効果的です。
なぜなら,寝ている間に,覚えたことを海馬が整理してくれるからです。
そのため,寝る前に暗記をすれば,睡眠中に覚えた内容が定着しやすくなります。
逆に,朝に暗記を行っても,昼間のいろいろな活動によって情報が上書きされて,忘れやすくなります。
朝に勉強するなら,「覚える」勉強よりも「考える」勉強をするのが効率的です。
簡単なことから確実に!
いきなり難しい問題にトライして足踏みするよりも,分かる問題から一歩ずつ上っていく方が効率よく記憶することができます。
簡単なことから順番にやるのは,遠回りなようで,実は一番の近道だったりします。
また,いきなり量を詰め込もうとするより,情報を小分けにして,少しずつ覚える方が効率よく覚えることができます。
子供の現在のレベルや適量を見極めて,小さな一歩を積み重ねていくようにしましょう。
感情移入で記憶力アップ!
悲しい出来事や楽しい思い出は,いつまでも記憶に残っているものです。
これは,喜びや悲しみなどの感情をつかさどる扁桃体が活動すると,記憶力が高まるからです。
そのため,ただ丸暗記しようとするよりも,感情を込めると記憶が定着しやすくなります。
例えば,歴史の勉強などは,歴史上の出来事に感情移入することで,記憶が定着しやすくなります。
「織田信長は,このとき,どんなふうに思ったんだろうね?」などと親子で会話することで,感情移入する機会を作るのも効果的です。
まとめ
今回は,記憶力がいい子供にするための方法を紹介しました。
記憶力がいい子供に育てるには,記憶の種類と特性を知っておくことが大切です。
そして,記憶を定着させるには,
①タイミングよく復習する
②好奇心を持つ
③アウトプットをする
のが効果的です。
また,記憶力がいい子供になる効果的な勉強法には,
①寝る前に暗記物を勉強する
②スモールステップで勉強する
③感情移入で記憶力をアップする
など,脳の特性を踏まえて勉強するのが効果的です。
是非試してみてくださいね。
①タイミングよく復習する
②好奇心を持つ
③アウトプットをする
のが効果的です。
親が子供の勉強に毎日付き合うのは大変な労力です。